学校現場から犯罪教員を締め出す, 鬼畜教師放逐の改革

教員による犯罪を減じる方策をして, その喧伝も行います。

ゆとり前夜に行われていたこと知ってますか。

 貴兄の皆様は年代も様々であろうと存じます。私の世代でも印象的な出来事がいくつかありました。ひとつは先にも述べました第5次学習指導要領の改定でした。

 公立学校の運営基盤となるものではありますが,そもそも学校とは世相を反映する鏡であり,世の中の雰囲気に最も影響を及ぼすのは時の経済状況に他なりません。

 この改定でも,本稿の取り上げている教員の非効率な業務の改善案には残念ながら何ら影響しませんでした。

 児童のためと言ってしまえば終いですが,授業時数の削減や学校週5日制の試行(月2回)も業務負担軽減の一助とならないことは明らかでした。狭義のゆとり教育は1996年の施行改定以降を指しますが,この“ゆとり”という姿勢は遥か1970年代初頭に教職員団体によって提唱され脈々と実践されてきたものです。多くの学校教育を行う者の精神的支柱であったと言っても過言ではないでしょう。

 あまりに長く続いた教育現場の礎となる姿勢は,当然に幅広い現場教員の意識の奥底に沁みついております。笑ってはいけませんが,この長い期間どの世代の教員に聞いても学校教育に“ゆとり”があったと言う教員にお目にかかったことがありません。

 つまり,教員の努力以前に学校教育には“ゆとり”が持てないロジックが組み込まれていた,と言えるでしょう。